ジオリファレンス(画像ファイルの GIS 化)
GIS上に画像ファイルを貼り付けるには、ジオリファレンス機能を用います。
GIS ソフト上で地図として表示するものは、位置情報としての座標値が必要です。
画像ファイルの場合、座標値が書かれた紙媒体の地形図であっても、GIS で読み込む
ためにはコンピューター上で座標値を与える作業を行います。この作業がジオリファ
レンスです。
異なる地図は別の投影システムを使用している場合があります。ジオリファレンスツールは、最小限の歪みで統合・オーバーレイする方法を搭載しており、画像の貼り付けに最適です。
ジオリファレンスツールの使い方
ジオリファレンスは、ラスターデータセットを正しい地理的位置に配置するために使用されます。
Raster (ラスター)とは
私たちが普段閲覧しているWebサイトやモニターなどは、格子状(グリッド)に並んだピクセル(画素)の集合体で表現されており、ラスターはデータを「座標」と「色」の2つで構成しています。格子状のマス目に対して、この座標のマス目は赤で、この座標のマス目は黒で、というようにマス目ごとに内容を覚えて表示しています。そのため、画像を拡大するとマス目がギザギザになっていることが確認できます。
下記公式サイトでは、サポートされているラスター形式 (ラスター データセット) の説明とそれらの拡張子に加えて、各形式が読み取り専用か、ArcGIS によって書き込み可能かを確認できます。
貼り付ける方法
ジオリファレンスを行う画像ファイルと GIS データの準備
ここでは、Esri 社の「ArcGIS Pro」を用いたジオリファレンスの方法を紹介します。
はじめにジオリファレンスを行う画像ファイルを準備します。
ArcGIS Proを起動し、画像を貼り付けるプロジェクトを開きます。
プロジェクトが開けたら、先ほど準備した画像ファイルを紐づけます。
「表示タブ」→ 「カタログウィンドウ」を選択します。
選択後、下図のようなカタログウィンドウが表示されます。
カタログ内にあるフォルダーを「右クリック」 → 「フォルダー接続の追加」を選択します。
先ほど準備したフォルダを選択し、「OK」を選択します。
フォルダの左にある「▷を選択」、フォルダ内に画像ファイルが入っていれば成功です。
次にマップに貼り付ける画像ファイルを選択し、マップ内にドラッグ&ドロップします。
すると、左のコンテンツウィンドウ内に画像ファイルが反映されます。
※コンテンツウィンドウは、表示タブ→コンテンツからも表示できます。
この状態だと、画像に位置情報としての座標値が入っていないため、ジオリファレンスツールを用いて正しい地理的位置に合わせる必要があります。
コンテンツウィンドウ内の画像を「右クリック」 → 「レイヤーにズーム」を選択します。
選択後、マップ内で画像が配置されている場所に移動します。
ジオリファレンスツールを用いた画像の位置合わせ
画像を選択後、「画像タブ」 → 「ジオリファレンス」を選択します。
「コントロールポイントの追加」を押すと、マウスポインターが十字マークに切り替わります。
「コントロールポイントの追加」では、位置を合わせるための始点と終点を決める必要があり、
始点ポイントは、マップと合わせる位置を画像内に打ちます。
終点ポイントは、始点ポイントを合わせる位置をマップ内に打ちます。
最初にマップと合わせる場所を画像内に打ちます。(始点ポイント)
打つと、赤いポイントが打たれ、終点(ターゲット)を選択できる状態になります。
そのままの状態で、マップの合わせたい位置に移動します。
移動方法は、
マウスホイールでズームアウトして移動するか、「マップタブ」の場所検索で瞬間移動します。
今回は、マップタブの場所検索を利用して、指定した場所へ瞬間移動します。
移動後、終点ポイントを打つ場所へズームインします。
終点ポイントを打つと、打った場所に画像が貼り付けられます。
このままだと、縮尺や方角が異なるため詳細な位置合わせを行っていきます。
画像が貼り付いたら、まずはジオリファレンス内の「保存」をして、終了を選択します。
再度、画像タブ → ジオリファレンスを開くことで画像の縮尺や方角、移動が可能になります。
上記のような画面表示されたら、詳細な位置調整を行います。
下記操作を選択すると、画像が透過表示になりますので位置合わせが容易になります。
■「サイズ変更」で縮尺を変更(画像枠線上の8点から調整できます。)
■「移動」で合わせたい位置まで移動(画像中央の黄色い丸●で調整できます。)
■「回転」で方角を調整します。(画像中央の緑のサークル◎で調整できます。)
画像のサイズ変更中
画像を移動中
画像を回転中
位置を微調整中
位置を合わせることができたら、最後に「保存」を押して完了です。
下図のように保存マークがグレーになると保存済みです。終了を押してみましょう。
ジオリファレンス終了後、透過表示が解除されていれば、貼り付けは終了です!
GISを閉じる前に、最後に左上のプロジェクトの保存ボタンも押しておきましょう。
透過表示にしたい場合は、表示設定タブ→透過表示で自由に変更できます。